レーシングライダー北川圭一の2006年の世界での活躍をあますところなく皆さんにお伝えします。
4月22日(土) 23(日)
世界耐久選手権の第2戦「ル・マン24時間」は、初戦の「アッセン500km」から1週間後というハードスケジュールで行われた。レース開始1時間後、トップを走るバンサン・フィリップから、北川圭一に交替、約5周走ったところでハイサイドで転倒、北川圭一の体は大きく投げ出された。どうなるものかと心配したが、骨折だけは免れ、自力でピットまで戻ってきた。すばやくマシンを修理し、再スタートを切るものの49位まで順位を下げた。ここから猛烈に追い上げた。レース開始8時間後には4位、トップとの差は3ラップにまで浮上。しかしレース中盤に入りマシュー・ラグリブが、初戦で負傷した傷が原因で走れなくなった。その後は、北川圭一とバンサン・フィリップ二人での過酷な戦いとなった。それでも猛追は続いた、1位のナショナルモト・ホンダに2ラップ差まで詰め寄りチャンピオンの意地を見せた。厳しい状況の中、昨年に続いての2位を獲得した。
4月20日(木)、21(金)予選
いまひとつしっくりこなかった北川圭一だが、ル・マンに来て調子が出てきた。バンサン・フィリップも調子を上げてきている。怪我で心配したマシュー・ラグリブも何とか走れそうだ。公式予選では、バンサン・フィリップがチームのトップタイムをたたきだし、ヤマハGMT94に続く2番手グリッドを獲得。
予選結果
1st 94 - Yamaha GMT94 - Yamaha YZF-R1 -1:38.174
2nd 1 - Suzuki Castrol Team - Suzuki GSX-R1000 - 1:38.354
3rd 7 - Yamaha Austria - Yamaha YZF-R1 -1:38.631
4th 2 - Suzuki Castrol Team - Suzuki GSX-R1000 - 1:38.663
5th 111 - Team Kawasaki France - Kawasaki ZX10R - 1:39.430
4月22日(土)15:00 決勝スタート (日本時間4月22日 22:00)
ル・マンサーキット(1週4.403km) で争われた決勝。カストロール・スズキ No.1は北川圭一、バンサン・フィリップ、マシュー・ラグリブの3人体制で臨む。2番グリッドからスタートしたバンサン・フィリップは快調に走行、1時間後にトップで2番手の北川圭一に交代、北川圭一は約5周走ったところでハイサイドで転倒、体は大きく投げ出された。思いっきりお尻を痛打したが、何とか骨折は免れた。自力でピットまで帰り着いた。クルーはすばやいピットワークでマシンを修理、再びピットに出たときには順位は49位まで下げていた。その間に、カストロール・スズキ No.2がトップを走行、その後に、ナショナルモト・ホンダ、ヤマハGMT94、カワサキフランス、ヤマハオーストリアが続く。
北川圭一、バンサン・フィリップ、マシュー・ラグリブの猛追が始まった。レース開始約5時間後には6位に浮上、カストロール・スズキ No.1はこの時点でのトップタイムで走行。10時間経過、2位を走っていたヤマハGMT94にトラブルが発生し、カストロール・スズキ No.1が2位に浮上した。しかし、先のレースで負傷、怪我をおして走行していたマシュー・ラグリブだったが、傷の具合が思わしくなく、残された約半分の時間を、北川圭一とバンサン・フィリップの2人で戦うことになった。2人にとっては非常に過酷な状況である。そんな状況でもトップを目指し、さらに猛追は続いた。
20時間経過、ヤマハGMT94のG・マッコイが転倒し大きく順位を下げる。そして、ここまで順調に走行していたカストロール・スズキ No.2だったが、エンジントラブルのためピットイン、そのままリタイヤとなった。カストロール・スズキ No.1は、この時点でナショナルモト・ホンダに続いての2位となった。その後、2ラップ差まで追い上げたが、2位でのフィニッシュとなった。
■北川 圭一選手のコメント
「1回目の走行で激しいハイサイドで大きく投げ出された。お尻から叩きつけられる激しい衝撃だったが、何とか骨折を免れた、ひどい打撲だけですんだのでほんとうによかった。」
「序盤の転倒後、チーム一丸となって追い上げた。中盤からマシューが走れなくなって、バンサンとの2人での走りはほんとうにきつかった。今回のレースまで、いまひとつ調子に乗れなかったが、これからはしっくりいきそうです。優勝を逃したのは悔しいが、この状況での2位はまずまずでしょう。残りのレースを全部勝つつもりで頑張ります。」
超過酷!スケジュール
開幕戦のアッセン500km(オランダ)と第2戦ルマン24時間(フランス)の2週連続という超過酷なスケジュール、しかもアッセンの決勝日は月曜日です。ルマンのスタートはその週の土曜日だから、レースの間は中4日。こんなハードスケジュールは初めてです。
開幕戦で圧勝!
そして始まった開幕戦!今年のシーズンオフは走り込みがあまりできずにシーズンが始まりイマイチ調子が良くないです。公式練習でチームメイトのマチューが転倒してまさかの負傷、手の甲を骨折してしまい、バンサンと2人で走ることになりました。アッセンは距離が短いので二人で走るのは問題ないのですが、次のルマン24時間が問題です。予選ではチームメイトのバンサンがトップタイムを出してポールポジションを獲得!そして決勝では私も調子が出てきてバンサンと同等のタイムで走行し2位以下を1ラップ以上引き離し、ブッチギリでの開幕戦優勝を飾ることができました。
過酷なレースがスタート
レースの翌日、火曜日の朝早く飛行機でオランダからフランスに移動、その日の午後からルマンでの走行開始です。かなりのハードスケジュールです。ルマン24時間耐久レースは、世界耐久選手権の中でも1番観客が多く注目度のある重要なレースです。チームとしてもここルマンとボルドールでは2台のエントリーです。予選ではチームメイトのマチューが予選用の速いエンジンを使って2番手のタイムを出しました。私は予選で決勝用のマシンを確実にセットアップすることに専念していました。スタートはバンサンです。SERTの2号車とワンツー体制でトップを快走!約1時間の走行を終えて、私の出番です。
3階くらいの高さまで飛ぶ!?
トップのまま交代して走り出しました。1回目の走行はいつも十分注意をして走行します。慎重に走り出し2番手以下を引き離しにかかっていた6周目にまさかのハイサイドで転倒してしまいました。今までのレース人生で1番高く飛んだハイサイドでの転倒でした。おそらく3階くらいの高さまで飛んだのではないだろうか!?地面にお尻から叩きつけられ、痛さのあまり身動きできませんでした。しかしレースはまだ始まったばかり、早くピットに戻らなければという必死の思いでバイクに駆け寄りピットまで戻りました。スタッフがマシンを素早く修復、チームメイトに交代してレースに復帰しました。私は腰を強打して自力で歩けないほどでした。医務室でドクターに診てもらったのですが幸い骨折はなく、その後のレースになんとか復帰することができました。しかし猛烈に痛い!先は長い!まるで拷問!です。今考えるとよく走っていたなと思います。
必死に追い上げる
一時は49位まで順位を落としていたけれど、10時間くらいで3位まで回復してきました。がしかしトラブル発生!フロントフォークを交換するという大きなタイムロスがあり順位を落としました。レースも14時間を過ぎたころ残り10時間のところで、チームメイトのマチューが骨折をしている状態で麻酔を打って走っていたため、手の感覚が無くなり走行不可能な状態になってしまったのです。残りのレースをバンサンと二人で走ることになりました。私も体が思うように動かない、しかしここで頑張るしかありません。順位も3位まで復活して、トップとの差が3周差まで詰まっていたのでこの先何があるかまだまだ分かりません。必死にバンサンと二人で頑張り、トップを走っていたSERTチームの2号車がエンジントラブルでリタイアしたので、2番手まで浮上しました。
エンジンを守りながらの走行
残り4時間、2周差なので全力で追いかければ優勝の可能性もあります。しかしエンジンのパワーが落ちてきて調子が悪くなってきました。トップを追いかけることをあきらめ、エンジンが壊れないように、エンジン回転数をあまり回さないようにして走行する指示が監督から出ました。ラップタイムも落として確実に完走するための走行です。そして24時間後に2位でゴールすることができました。長くてつらい24時間が終わりました。序盤に激しく転倒したことを考えると、2位という結果はシリーズ戦を考えると良かったと思います。しかし自分の転倒でチームに迷惑をかけてしまい申し訳なく、悔しくてなりません。今は怪我のほうも回復してトレーニングも初めました。次のスペインに向けて頑張ります!!(北川圭一)
| 順位 | No. | ライダー | マシン | チーム | ラップ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 55 | Protat Four Ribalta |
Honda CBR1000RR |
National Motos Honda | 817laps |
| 2 | 1 | 北川圭一 バンサン・フィリップ マシュー・ラグリブ |
Suzuki GSX-R1000 |
Suzuki Castrol | 815laps |
| 3 | 94 | Gimbert Checa McCoy |
Yamaha YZF-R1 |
Yamaha GMT94 | 804laps |
| 4 | 8 | Muff Saiger Morillon |
Kawasaki ZX10R |
Kawasaki Bolliger | 799laps |
| 5 | 10 | Michel Tangre Bocquiet |
Suzuki GSX-R1000 |
Infini Team Suzuki | 793laps |
| 6 | 44 | Ruozi Monot Jond |
Suzuki GSX-R1000 |
Suzuki No Limits & RT - ITA | 789laps |
| 7 | 83 | De Rosa Fremy Moisin |
Kawasaki ZX10R |
Kawasaki Maccio Racing | 788laps |
| 8 | 12 | Hanson Andersson Carlberg |
Suzuki GSX-R1000 |
Suzuki Fagersjo-el.se | 787laps |
| 9 | 100 | Perrerau Duprez Briere |
Suzuki GSX-R1000 |
Suzuki Endurance Moto45 | 786laps |
| 10 | 21 | Mizera Chevre Steuer |
Honda CBR1000RR |
RMT21 Racing Honda | +1.21.018 |


